2月 7th, 2011
キック・アス
今年一番にお送りするレビューはアメコミ原作の痛快カルト作品、キックアスです。
全米では大ヒットしましたが、日本では単館上映の上に上映から間もない3月にソフト化されるという
いわゆるDVDスルー作品のような扱いを受けてしまった作品です。
あらすじ:
ニューヨークに住むオタク高校生のデイブ。彼はいわゆるオタク像にもれなく
学校では憧れの女の子に無視され、街を歩けばカツ上げされる冴えない存在。
そんな彼はアメコミの話を同級生のオタク仲間としている内に、ある考えをもつようになる。
それは「どうしてヒーローみたいな事を誰もやろうとしないんだろう?」という事。
「自分のように弱い存在を守る人がどうしてたった一人もいないのか?
もし一人でもいれば、世の中がきっと変わるのに…」
そう思った彼は、自らがその「ヒーロー」になる事を決意する。
そして通販で買った全身タイツに警棒をつけたヒーロー、「キック・アス」となるのだった。
彼はヒーローの仕事始めとしていつもカツ上げされているチンピラに立ち向かう…のだが結果は散々。
見た目はヒーローでも中身はオタクのままのデイブはナイフで刺された上に
通りがかった車にひき逃げされ、何もしないまま病院直行の目に遭ってしまう。
しかしこれで神経が鈍くなったのをいい事に再度彼は街に繰り出し、今度は暴漢に襲われている人を結果的に撃退。
これを見ていた市民はケータイで撮影した動画をYouTubeにアップし、かくしてヒーロー「キック・アス」は
一躍時の人となる。
しかし彼はまだ知らなかった。この街には彼の他にも復讐に燃える「ヒーロー」がいたことを。
そしてそのヒーローとの出会いが、彼の運命を大きく変える事を…
この作品の原作は「ウォンテッド」などを手がけたマーク・ミラー。
「ウォンテッド」も冴えない青年が意識改革によって強くなる話でしたが、
この映画はそこを更に推し進めたような内容です。
その一番のポイントは、「主人公が強くならない」事。
この手の映画は前述の「ウォンテッド」や等身大ヒーローの先駆けである「スパイダーマン」を見るまでもなく
「弱い主人公が強くなる瞬間の気持ちよさ」が焦点になる事が多いです。
しかしこの主人公のデイブはいつまで経ってもオタク青年のまま。
筋肉が付くわけでも警棒をうまく扱えるわけでもなく、コスチュームも全身タイツのまま。
映画の中では終始情けない姿を見せてくれます。
それでもこの映画が「痛快」といえる訳は、デイブの持つたった一つの武器「勇気」によって
彼が成長してゆく姿が見られるところでしょう。
しかしアクション部分も決して見所がない訳ではなく、隠れヒーローであるところの
「ビッグ・ダディ」と「ヒット・ガール」が受けもっているので十分楽しめます。
(この2人はリアルに人殺しをするので表現はちょっとエグいですが…
ちなみにバットマンまんまのビッグ・ダディはニコラス・ケイジが演じています。相変わらずアメコミ好きだなあ。)
等身大ヒーローならではの恋あり、友情あり、ラストにはハリウッド的な爽快シーンもありと
エンターテイメントに満ちながらも日本ではマイナー作品のこの1本。
個人的には大ヒット、今年初鑑賞にしてもうベスト1が出たのでは?と思うくらいの作品でした。
皆さんも興味があれば、DVD/BDでもいいので一度見てみてください。