3月 9th, 2011
ザ・タウン
ベン・アフレックが共同脚本・監督・主演で制作されたクライムドラマ。
及第点を十分超える質の高い映画になりました。
あらすじ
アメリカ、マサチューセッツ州ボストン。ここにあるチャールズタウンは、
地元の人間に特別な意味を込めて「ザ・タウン」と呼ばれていた。
その理由はそこが有数の強盗の多発地帯であるとともに、その強盗が「家業」として
親から子供に受け継がれているという全米でも類を見ない街だったからだ。
そしてこの街で生まれ育ったダグも、その「家業」を受け継ぐ一人だった。
ある日彼は仲間と共に銀行強盗を働き、逃走の際に女性支配人を誘拐する事になる。
無事逃げおおせたダグ達は支配人を解放するが、彼女は同じ「ザ・タウン」の住人だった。
既にFBIからマークされていたダグ達は自分達に繋がる情報が出る事を恐れ
彼女を殺す事を検討するが、無用な殺人を好まないダグは仲間を説得し、彼女を監視する為に接近する。
しかしそこで犯罪被害者の心の傷に触れた彼は、いつしか彼女と心を通い合わせるようになったのだった。
やがて足を洗う事を決意したダグだったが、「ザ・タウン」のしがらみはそれを許そうとはしなかった。
「最後の仕事」として彼が引受けさせられたのはレッドソックスのホームグラウンド、
フェンウェイパークへの強盗計画。
ダグはあまりにも危険なこのミッションを切り抜け、過去の自分と決別する事ができるだろうか…
この映画は緊迫した強盗の場面やカーチェイスといった派手なシーンもありますが、
メインはベン・アフレック演じるダグをはじめとした「ザ・タウン」という街に生きる人間のドラマです。
作品全体を通して見ても、前述の派手なシーンや「ザ・タウン」の元締めとの関係などの
スリルを盛り込みながら、犯罪を職業にせざるを得ない環境で育った人間達をしっかりと描き、
その愛憎入り混じった関係の中で揺れ動く主人公の心理が伝わる作りになっています。
演出面でも作り手側があえて感情移入をしすぎず丁寧に作っている印象で、そのあたりは
どことなくイーストウッド作品のような客観性も感じさせてくれます。
エンディングも個人的には好みでした。
ベン・アフレックは「グッドウィル・ハンティング」がマット・デイモンとの共同脚本でしたから
制作能力があるのはわかっていたのですが、俳優としては出演作にあまり恵まれていなかった印象でした。
しかし監督デビュー作となった前作「ゴーン・ベイビー・ゴーン」も高い評価でしたし、
この「ザ・タウン」でもしっかりと仕事をしていますので監督としての将来はなかなか有望なのではと思えます。
飛びぬけた魅力という意味で言えばまだ物足らない面もありますが
そこは将来性と考えれば、これからの作品に十分期待を持つ事のできる一本でした。