見た映画のレビューを語るサイト
2012年6月14日 by die

クラウドについてあれこれ

今、企業のクラウド化が進んでいます。

クラウドサービスの持つ高い利便性は、今や個人だけでなく企業にも高い生産性をもたらします。

しかし、導入の時に問題になるのはクラウド環境のセキュリティです。

企業には顧客情報に代表される高い秘匿性が求められる情報が数多くあり、不特定多数の人間がアクセス可能なパブリックサーバーに情報を集めるリスクは無視できないからです。

そこでプライベートクラウドと呼ばれるその企業内でのみ運用されるクラウドサービスもありますが、セキュリティやカスタマイズとトレードオフの関係で、今度はクラウドの大事な要素であるアクセシビリティを失います。

クラウドサービスは、その性質上他のネットワークサービスと比べても特にアクセシビリティの重要度が高く、情報アクセスへの柔軟性を失うという事はクラウドサービスそのものの存在価値にも関わってきます。

その為、プライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせた形であるハイブリッドクラウドというソリューションが徐々に浸透してきています。

会社の営業などが日常的にアクセスする部分にはパブリッククラウドを使用し、生産部門の利用する専門的なクラウドサービスや機密性の求められる情報についてはプライベートクラウドで行うといった、柔軟な使い分けが可能になるのです。

クラウドサービスを提供している企業も増えてきていますが、現在提供するサービスの質、量ともに優れているのがクラウド業界での第一人者的な存在であるVMwareです。

ハイブリッドクラウドやエンタープライズアプリケーションの仮想化など、幅広いサービスを提供しています。

日本法人もあり、大手企業への導入事例も豊富です。

【参考記事】「ハイブリッドクラウドとポストPC時代がトレンド」、米VMware – 日経BP

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2011年6月18日 by die

127時間

「スラムドッグ$ミリオネア」でのアカデミー賞受賞も記憶に新しいダニー・ボイル監督の最新作。
実話を元に、極限状態に陥った人間の心理を鮮やかに描いた作品です。

あらすじ:アウトドア・ショップに勤める青年アーロンには、週末になると
行き先を誰にも告げずに、ある場所へと向かっていた。
その場所とはユタ州のブルー・ジョン・キャニオン。
人が通ることさえ稀な岩と砂の世界で、彼はたった一人でフリーランニングや
サイクリング、ロッククライミングなどの冒険をするのが楽しみだった。
その日も彼は荒野を駆け回り、トレッカーの女性と地底湖へダイブをして楽しいひと時を過ごしていた。
しかし彼女達と別れた後、一人になった彼を「運命の岩」が襲う。
落石によって岩壁との間に腕を挟まれ、動く事ができなくなったアーロン。
数日分の食料と水しかなく、助けが来るのは絶望的な状況の中
壮絶な戦いが彼を待ち受ける、運命の「127時間」が幕を開ける。

ダニー・ボイル監督の作品を見る時、特に凄いと思うのは彼のバランス感覚です。
「28日後」や「スラムドッグ$ミリオネア」といったエンターテイメント性の高い作品から
こうした一見地味な作品までが、彼の巧みな演出手腕によってスタイリッシュに仕上がっています。

この作品は前述の通り実話を元にした話で、その舞台のほとんどは誰も通らない峡谷です。
登場人物も最初に出てくる人以外は、ほとんど彼の回想でしか出てきませんから
普通に作ると非常に地味な映画になりがちですが、演出を駆使して地味な展開を
飽きさせず見せる事に成功しています。

特にその演出手腕はオープニングで顕著に現れていて、彼が都会の暮らしから
ブルー・ジョン・キャニオンに向かい、自然を満喫するシーンでは様々な映像のモンタージュや
動きのあるカメラ、音楽などの演出によってその場面を楽しく盛り上げます。
そしてその楽しさが十分伝わった後、彼が岩に挟まれ「127 hours」のタイトルが現れた瞬間に
そういったものは全て無くなります。

映像は主人公アーロンの周辺のみで、たまに変化があっても彼の回想や夢の中です。
音楽もなく、人も現れず、ただあるのは彼と岩ばかり。
オープニングで楽しい気分になればなるほど、そのギャップによって静寂と孤独に
強い印象を与える演出は見事だと思いました。

後は彼の壮絶な生きるための孤独な戦いが繰り広げられるのですが、
その戦いは正に壮絶の一言。終盤の脱出シーンでは彼の演出手腕もあいまって
筆舌に尽くしがたい印象を見る人に残します。

主人公アーロンの心の動きも映画の見所の1つです。
最初は「ちょっとした厄介ごと」程度に思っていた彼が岩との戦いを通じて
死を覚悟し、今までの自分の生き方を振り返ります。

岩に挟まれ、助ける人もない状況に追い込んだのは誰にも行き先を告げずに来た
自分であって、他人とのコミュニケーションを避けてきた生き方の報いであると感じます。
そして彼は今までの人生で触れてきた家族や親しい人の愛情を思い出し、
それが一番大事なものだった事を悟るのです。
これはフィクションであれば平凡なメッセージと受けとったでしょうが、
実話だけに極限状態の人間の心理の動きというものを強く感じました。

この報いを与えに来た岩に対して彼が払った「人生の代償」、そして「生きる為の決意」。
巧みな演出と生きるための壮絶な戦いがうまくマッチしたこの作品、
いわゆる小品ではありますが、さすがダニー・ボイルと思わされる一本でした。

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2011年4月28日 by die

エンジェルウォーズ

「300」「ウォッチメン」のザックスナイダー監督によるファンタジーアクション。
監督オリジナル企画という事もあってか妄想全開な内容でした。


あらすじ

1950年代のアメリカ。裕福な家庭に生まれた少女は、遺産を狙う継父によって
精神病院に入れられてしまう。継父は職員を金で買収し、ロボトミー手術によって
少女を物言わぬ生きた人形のようにしようとしていた。その手術の予定日は5日後。
彼女は、少女の持つ最大の武器である「想像力」を駆使し、そのイマジネーションの世界で
精神病院から脱出し、彼女への濡れ衣を晴らす為のヒントを見つけようとする。

想像の世界では「ベイビードール」と呼ばれる彼女の戦いが始まる―。



「300」「ウォッチメン」という前2作が好評を得たザック・スナイダー監督。
今作はアメコミ原作ではなく、監督オリジナル企画の作品です。
あらすじ紹介の通り、主人公である「ベイビードール」の想像の世界が
ビジュアルイメージとして展開され、そこが主な舞台となります。

更にその想像の世界にも階層のようなものがあり、現実の精神病院に近い世界である
キャバレー兼娼館、そこから更に想像を広げたファンタジー世界、といったものの間を
行き交いながらストーリーが進んで行きます。

特徴的なのは、現実の世界がほとんど描かれないところ。
「インセプション」も同じように夢の世界が主な舞台でしたが、現実世界もそれなりには描かれました。
しかしこの作品ではほぼ現実世界は出てきません。
ただ想像の世界での出来事は現実世界での行動にも繋がっているので、
比喩的に表現された想像の世界を見ながら、現実世界で何が起こっているのかを
観客も想像するという面白さがあります。

また映画の演出も舞台のそれに近いところがあり、キャバレー兼娼館という設定もあいまって
ミュージカル作品の「ムーラン・ルージュ」を彷彿とさせる場面が見受けられます。

想像のファンタジー世界では、主人公はセーラー服のような服装に日本刀と拳銃という
アニメのような存在で、行われるアクションも寺院での鎧武者との戦いや
古城でドラゴンとの戦いなど、ある意味定番というかありがちな内容です。
少女の想像なので類型化された世界という事だと思いますが、その世界での
アクションも含めて荒唐無稽さが目立つ内容です。

見終わっての感想としては、私はちょっと内容にチグハグ感があった気がします。
少女のアクションシーンを中心に据えていますが、荒唐無稽なアクションは
現実感が薄い為か緊迫感がなく、いかにも「マンガやアニメでありそうなシーン」という印象です。
またストーリーも想像を駆使して絶望的な状況からの活路を見出すはずが
実際のところは観客の予想を超えない、意外性に欠けた内容になっています。
前述のように映画の構造は割と凝っているのですが、監督のアイデアに
その他の内容が追いついておらず、そこがチグハグ感に繋がっているのでしょう。

物語の最後には現実世界での行動や、その結果が明らかにされますが
その内容は悪い言い方で言えば普通で、またその行動の結果も
私にはあまり支持できないものでした。

ラストには主人公を通して、映画から観客へのメッセージが伝えられますが
それもむしろ逆効果であったように思います。
私としては「エクスペンダブルズ」や「特攻野郎Aチーム The Movie」のように
「アクションが描きたかっただけです、メッセージなんてありません!」と
割り切って作ってもらった方が潔くて好感が持てたと思いますし、
メッセージ性についても観客が自然と考えられたのではと思います。

ただ外人が真面目に日本のオタクっぽいキャラクターを実写で作ったというのは
なかなか興味深いですし、それだけが見たいというのであれば楽しめると思います。

おススメ…はそれほどできませんが、監督の妄想を生暖かく見守るスタンスで
映画に臨むのが良いと思われる一本です。

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2011年3月9日 by die

ザ・タウン

ベン・アフレックが共同脚本・監督・主演で制作されたクライムドラマ。
及第点を十分超える質の高い映画になりました。


あらすじ

アメリカ、マサチューセッツ州ボストン。ここにあるチャールズタウンは、

地元の人間に特別な意味を込めて「ザ・タウン」と呼ばれていた。

その理由はそこが有数の強盗の多発地帯であるとともに、その強盗が「家業」として

親から子供に受け継がれているという全米でも類を見ない街だったからだ。


そしてこの街で生まれ育ったダグも、その「家業」を受け継ぐ一人だった。

ある日彼は仲間と共に銀行強盗を働き、逃走の際に女性支配人を誘拐する事になる。

無事逃げおおせたダグ達は支配人を解放するが、彼女は同じ「ザ・タウン」の住人だった。


既にFBIからマークされていたダグ達は自分達に繋がる情報が出る事を恐れ
彼女を殺す事を検討するが、無用な殺人を好まないダグは仲間を説得し、彼女を監視する為に接近する。

しかしそこで犯罪被害者の心の傷に触れた彼は、いつしか彼女と心を通い合わせるようになったのだった。


やがて足を洗う事を決意したダグだったが、「ザ・タウン」のしがらみはそれを許そうとはしなかった。

「最後の仕事」として彼が引受けさせられたのはレッドソックスのホームグラウンド、

フェンウェイパークへの強盗計画。

ダグはあまりにも危険なこのミッションを切り抜け、過去の自分と決別する事ができるだろうか…



この映画は緊迫した強盗の場面やカーチェイスといった派手なシーンもありますが、

メインはベン・アフレック演じるダグをはじめとした「ザ・タウン」という街に生きる人間のドラマです。

作品全体を通して見ても、前述の派手なシーンや「ザ・タウン」の元締めとの関係などの

スリルを盛り込みながら、犯罪を職業にせざるを得ない環境で育った人間達をしっかりと描き、

その愛憎入り混じった関係の中で揺れ動く主人公の心理が伝わる作りになっています。


演出面でも作り手側があえて感情移入をしすぎず丁寧に作っている印象で、そのあたりは

どことなくイーストウッド作品のような客観性も感じさせてくれます。

エンディングも個人的には好みでした。


ベン・アフレックは「グッドウィル・ハンティング」がマット・デイモンとの共同脚本でしたから

制作能力があるのはわかっていたのですが、俳優としては出演作にあまり恵まれていなかった印象でした。

しかし監督デビュー作となった前作「ゴーン・ベイビー・ゴーン」も高い評価でしたし、

この「ザ・タウン」でもしっかりと仕事をしていますので監督としての将来はなかなか有望なのではと思えます。


飛びぬけた魅力という意味で言えばまだ物足らない面もありますが

そこは将来性と考えれば、これからの作品に十分期待を持つ事のできる一本でした。

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2011年2月7日 by die

キック・アス

今年一番にお送りするレビューはアメコミ原作の痛快カルト作品、キックアスです。

全米では大ヒットしましたが、日本では単館上映の上に上映から間もない3月にソフト化されるという

いわゆるDVDスルー作品のような扱いを受けてしまった作品です。

あらすじ:

ニューヨークに住むオタク高校生のデイブ。彼はいわゆるオタク像にもれなく

学校では憧れの女の子に無視され、街を歩けばカツ上げされる冴えない存在。

そんな彼はアメコミの話を同級生のオタク仲間としている内に、ある考えをもつようになる。

それは「どうしてヒーローみたいな事を誰もやろうとしないんだろう?」という事。

「自分のように弱い存在を守る人がどうしてたった一人もいないのか?

もし一人でもいれば、世の中がきっと変わるのに…」

そう思った彼は、自らがその「ヒーロー」になる事を決意する。

そして通販で買った全身タイツに警棒をつけたヒーロー、「キック・アス」となるのだった。

彼はヒーローの仕事始めとしていつもカツ上げされているチンピラに立ち向かう…のだが結果は散々。

見た目はヒーローでも中身はオタクのままのデイブはナイフで刺された上に

通りがかった車にひき逃げされ、何もしないまま病院直行の目に遭ってしまう。

しかしこれで神経が鈍くなったのをいい事に再度彼は街に繰り出し、今度は暴漢に襲われている人を結果的に撃退。

これを見ていた市民はケータイで撮影した動画をYouTubeにアップし、かくしてヒーロー「キック・アス」は

一躍時の人となる。

しかし彼はまだ知らなかった。この街には彼の他にも復讐に燃える「ヒーロー」がいたことを。

そしてそのヒーローとの出会いが、彼の運命を大きく変える事を…


この作品の原作は「ウォンテッド」などを手がけたマーク・ミラー。

「ウォンテッド」も冴えない青年が意識改革によって強くなる話でしたが、

この映画はそこを更に推し進めたような内容です。

その一番のポイントは、「主人公が強くならない」事。

この手の映画は前述の「ウォンテッド」や等身大ヒーローの先駆けである「スパイダーマン」を見るまでもなく

「弱い主人公が強くなる瞬間の気持ちよさ」が焦点になる事が多いです。

しかしこの主人公のデイブはいつまで経ってもオタク青年のまま。

筋肉が付くわけでも警棒をうまく扱えるわけでもなく、コスチュームも全身タイツのまま。

映画の中では終始情けない姿を見せてくれます。

それでもこの映画が「痛快」といえる訳は、デイブの持つたった一つの武器「勇気」によって

彼が成長してゆく姿が見られるところでしょう。

しかしアクション部分も決して見所がない訳ではなく、隠れヒーローであるところの

「ビッグ・ダディ」と「ヒット・ガール」が受けもっているので十分楽しめます。

(この2人はリアルに人殺しをするので表現はちょっとエグいですが…

ちなみにバットマンまんまのビッグ・ダディはニコラス・ケイジが演じています。相変わらずアメコミ好きだなあ。)

等身大ヒーローならではの恋あり、友情あり、ラストにはハリウッド的な爽快シーンもありと

エンターテイメントに満ちながらも日本ではマイナー作品のこの1本。

個人的には大ヒット、今年初鑑賞にしてもうベスト1が出たのでは?と思うくらいの作品でした。

皆さんも興味があれば、DVD/BDでもいいので一度見てみてください。

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2011年1月7日 by die

今年もよろしくお願いします

あけましておめでとうございます。
昨年はこのblogを開設した記念すべき年でした。何とか年を越す事ができましたのも皆様のお陰です。

また映画界にとっては昨年も色々な話題作、名作が公開された1年でした。

今年の映画界の話題としては、あと一ヶ月もすればやってくるのが毎年恒例の映画の祭典、アカデミー賞。
それよりも前に開催されるゴールデングローブなどで賞の行方を占うのも、映画の楽しみ方のひとつですね。
去年はやはりアバターが話題の中心でしたが、今年はどんな映画がノミネートされるのでしょうか。
個人的には「ザ・コーブ」のような形での話題にはなって欲しくないと思っていますが、そこは政治的な色合いも反映されるアカデミー賞ですから、まさしく映画以上に様々なドラマが展開される事が予想されます。
まずはノミネート作品の発表を楽しみにしたいですね。

今年も多くの名作と呼ばれる作品が世に出る事でしょう。
また3D映画やそれに伴う新しい上映スタイルも、更に深く浸透してくると思われます。
映画界にもたらされている確実な変化は、今後私達に一体何をもたらすのか。
そこに注目し、また楽しみにして一年を過ごせればと思います。

皆様、今年もどうぞよろしくお願い致します。

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2010年11月29日 by die

ホームページ制作に必須のSEOとは

皆さんはSEOという言葉を聞いた事はありますか?
これは「Search Engine Optimization」の頭文字を取ったもので、検索エンジン最適化という意味だそうです。

最近はインターネットにローリスクハイリターンなビジネスのチャンスがある事が一般的に知れ渡り、多くの人や企業がその金脈を得ようと日々争っています。
世界中から注文を受けられるショッピングはもちろん、アフィリエイトやドロップシッピングなどの「インターネットがなければ成立していないビジネス」も次々と生まれています。しかし誰もがインターネットビジネスに参入したら、どうやってライバルと差をつけたらよいのでしょうか?
それに対する答えの中で、今最も有力なものがSEOです。
SEOは簡単に言えばYahooやGoogleでの上位表示を目指す技術ですが、その目標への手段は非常に多岐に渡ります。キーワードの設定から始まり、ホームページの構成、被リンクの獲得など様々な方法を複合的に組み合わせる事が必要です。

一つ一つの事は個人でも勉強しながらやる事は可能ですが、ノウハウを確立するまでビジネスチャンスは待ってくれません。そういう時に必要なのが、「SEOに強いホームページ制作業者」です。

その中でも大阪のイマジナリーデザインはSEOのノウハウ、ホームページのデザイン、価格の安さの全てに優れたホームページ制作業者です。
新規制作をはじめ既存のページへのブログ追加など様々な要望にも対応でき、無料SEO診断や無料電話相談も実施しているので自分のホームページがどのくらいSEOが出来ているのかを知りたい人にもオススメです。

インターネットにビジネスチャンスを求めている人は是非イマジナリーデザインへどうぞ!

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2010年10月30日 by die

特攻野郎Aチーム the movie

往年の名作テレビシリーズの映画リメイク。
当初はリーダーのハンニバル役をブルース・ウィリスが演じると言われていましたが色々あったみたいで

結局リーアム・ニーソンになりました。
監督は「スモーキン・エース」で強烈なキャラクター達をうまくまとめたジョー・カーナハン。
今作でもその手腕が光りました。

ストーリー:

ジョン・スミス大佐、通称「ハンニバル」とテンプルトン・ペックこと「フェイス」はチームを組んで特殊工作任務を
行っていた。ある任務で一緒になったメカニックの「BA」バラガス、パイロットのHM「マードック」を加え、
不可能を可能にする4人「Aチーム」が誕生する。
その後イラク戦争で偽札の原版を盗んだという濡れ衣を着せられた彼らは捕まり、刑務所に入れられてしまう。
しかし刑務所から脱獄したAチームは汚名を返上し、自分達を陥れた犯人を捜す為に動き出すのだった。

ストーリーの骨子はTVシリーズがベトナム戦争だったのが時代を考えてイラクになったくらいでほとんど同じです。
キャラクターも冷静沈着なリーダーハンニバル、お調子者のフェイス(TVではフェイスマン)、
飛行機が苦手なBA(コング)、精神病院にいつも入っているマードック(クレイジーモンキー)もほぼ同じ。
この辺りはTVシリーズを見ていた世代なら嬉しいところでしょう。

内容は往年の80年代ハリウッドアクションというか「ストーリーはオマケで派手なアクションだけを楽しむ」感じで、
これまた最近では少なくなったテイストです。
AチームはTVシリーズからアクションと軽妙なやりとりが売りだったのでイメージを崩す事もなく、
アクションも荒唐無稽なものからカースタント、お約束の素手の殴り合いまであって映画を通して
飽きずに見ることができます。

 

マトリックスの影響か最近はアクションでもストーリーや凝った設定が入っているものが多い中で
よくこういうシンプルというかいい意味で「何もない」映画を作ったなというのが個人的な感想です。

何も考えず能天気に楽しめるこの映画、BD/DVDは正月(1/7)に発売予定。
どうせなら年末か正月休みの時に見たかったですが、それでももう一度見たいので予約しました。

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2010年9月29日 by die

ゾンビランド

・あらすじ
新種のウイルスが大流行し、人類の大半がゾンビになってしまった世界。
引きこもりであったがためにその災いから逃れていた主人公の青年は、両親のいるオハイオ州コロンバスに向かう途中でゾンビを傍若無人になぎ倒すウディ・ハレルソン演じる男の乗る車と出会う。
ヒッチハイクに成功した青年は、親しくなりたくないという男の提案で本名ではなく、出身地のコロンバス、タラハシーと呼び合う事になる。
タラハシーの大好物のケーキ「トゥインキー」を探しながら旅をする中、2人はウィチタとリトル・ロックという姉妹に出会う。
しかしウィチタとリトル・ロックも実は先々で男を騙して旅をしていた詐欺師だった。
引きこもり青年のコロンバス、殺戮マニアタラハシー、そして詐欺師のウィチタとリトル・ロック。
この4人と無数のゾンビの旅の行く末は…

ゾンビコメディという触れ込みのこの映画ですが、正直ナチュラルボーンゾンビキラーのウディハレルソンの存在感が突きぬけすぎている印象です。
映画の中でもゾンビ相手に無双状態だったハレルソンですが、キャストとしても同じでした。
そしてこの映画にはビルマーレーも本人役で出演しています。
流石にコメディ俳優としての格を見せつけていて、彼の出てくるシーンでは会場が大きな笑いに包まれていました。

映画のクオリティとしてもゾンビのメイクをはじめ中々良く出来ていて低予算っぽいイメージから入るといい意味で裏切られます。
ゾンビ映画といえばよく親しい人がゾンビになったり、結局全員死亡したりという展開が多いのですが、そういうある意味嫌なお約束もなく、軽いタッチで楽しめる映画でした。

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2010年8月10日 by die

アウトレイジ

「世界のキタノ」こと北野武監督の最新作。
今作は久しぶりにバイオレンス作品に回帰した事で話題になりました。

・あらすじ
北野監督自らが演じるヤクザの大友は広域組織「山王会」末端の組織、大友組の組長。
大友は池元(國村隼)の配下だが、池元は山王会若頭の加藤(三浦友和)に
兄弟分である村瀬(石橋蓮司)との間を怪しまれ、村瀬組を締めるように言われる。
兄弟の間がある為直接手が出せない池元は、その役目を大友に押し付ける。
しかしこれがきっかけとなり、事態は山王会全体を揺るがすものへと発展してゆく…

ストーリーはこんなところで、あらすじを聞くと何の変哲もないヤクザ映画という印象ですね。
実際大筋はその通りで、その部分で言えばVシネマのヤクザものの俳優陣が豪華になったものと
言っても差し支えありません。
監督はこの映画について「ヒットを狙ってる」という趣旨の発言を何度かしてきましたから、
こういったストーリーはヤクザ映画の王道を意識して作られたものなのでしょう。
しかしこの悪く言えばありきたりなストーリーとは裏腹に、北野作品として見た場合
今までの北野作品らしさ、そしてこれまでにない要素の両方が伺える作品です。
「BROTHER」で止めたといったヤクザもの、バイオレンス作品を再び手がけたのはなぜか?
といった問いへの答えもこの辺りにあるのでは、と思うのですが…それは後ほど。

・圧倒的なバイオレンス表現とユーモア
まずこれまでの北野作品らしさとして、バイオレンス表現が挙げられます。
監督は以前から「痛みの伝わる映像」を意識して作品を作って来ました。
だから暴力シーンは毎回痛そうなのですが、今作では特にそれが際立っています。
カッターでの指詰めシーンを始め、小道具に身近なものが使われているので
その痛みが容易に想像できるのが大きな要因だと思いますが、
とにかく痛そうなシーンのオンパレード。
石橋蓮司さんが演じる村瀬への仕打ちが特に酷く、見た人の多くが
「絶対こんな事されたくないな」と思わされたであろうと思います。
私は痛いシーンが嫌いで見ると顔が引きつって「イーッ」となってしまうのですが
(この表現は関西だけ?)この映画はしょっちゅう「イーッ」となっていました。
直接的なゴア描写がないのにも関わらず、ここまで痛そうな映画を作れるのは
やはり監督の演出力が凄いのだろうと思わされます。

次にユーモア。小さなヤクザの組長である大友は
上からは無理難題を押し付けられ、下も面倒を見なければいけないという
言ってみれば中間管理職の立場。
ヤクザという常識の範囲外の存在でありながら、上からの無茶振りに
「そんな事言われても…」といった様子で戸惑う姿を始め、情けない姿が
ユーモアたっぷりに描かれます。
特に大友のオヤジ、つまり上司にあたる池元を演じる國村隼さんと
村瀬を演じる石橋蓮司さんがとても良い味を出していました。
強面のヤクザが組織の上役の前では急に卑屈になる姿は分かっていても
思わず笑ってしまうところです。

・美のない虚無感
私が思う北野監督の今までのヤクザ作品と「アウトレイジ」が大きく一線を画す点がこれです。
「3-4×10月」や「ソナチネ」、「BROTHER」といったこれまでのヤクザ作品は
単にバイオレンスがあるだけでなく沖縄の美しい風景や花を使った演出、また日本人の美学など
観客が感情移入できる「美しいもの」が同時に表現されていました。
ともすればヤクザである事はどうでもよくなってしまうくらいにその美しさは印象的で、
これらの作品を「ヤクザ映画」ではなく「北野作品」と呼ばせるのに十分なものでした。
しかし今回、そういった「映像的な美しさ」や「ヤクザとしての美学」は一切表現されません。
「全員悪人」が映画のコピーになっていますが、出てくる人間は大半が自分の手を汚そうとせず
人の功績を横取りする事しか考えない汚い人間です。
大友は昔堅気のヤクザですが話が進むにつれ追い詰められ、プライドを砕かれてゆきます。
後半はすさまじい暴力の嵐で色んな人物が死んでゆくのですが、その死にも北野作品らしい
美しさは微塵もありません。全て無駄死に、犬死にです。
映像は東京(と思われる)の殺風景な風景のみで映像的な美しさもありません。

観客が感情移入できる要素をことごとく排して後に残るものはというと、
この一連の出来事が結局何の意味ももたらさなかったという虚無感のみです。
(この感情移入できる要素ゼロの作品を「ヒットを狙った」と言える監督には
改めて、皮肉ではなく純粋に大した人だと思わされます。)
では、その「美しさ」を排除して監督が表現したかったものは一体何だったのでしょうか?
私はバイオレンス作品への回帰と圧倒的な暴力描写、そしてその後の虚無感から
これまでは作品の一要素としてしか表現してこなかった「暴力」を主題に据え、
それを真正面から表現した作品であると思います。
「欲望により他者のものを奪う」という事が暴力の本質として考えられるなら
それそのものを描くという事に注力した作品が「アウトレイジ」であり、
同時に監督がこの作品を作った理由ではないか、と思うのです。

個人的には北野作品未見の人にはオススメできませんが、ストーリー自体は分かりやすい
ヤクザものなのでこれから見て「ソナチネ」などの作品を見るのも良し、
先に他作品で予習してから見るも良し。(北野作品を初めて見る場合、一番いいのは
「キッズリターン」だと思います。)

この作品が「キャストの豪華なVシネマ」になるか、それとも別の評価になるか。
賛否両論分かれるこの作品、興味があれば是非どうぞ。

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